こんにちは。
木内(きのうち)です。
このブログを書いている2020年2月17日現在、コロナウイルスの影響で宿泊業や観光業に大きな打撃が出ています。
ホテルでお勤めの方のツイート。
いよいよ宿泊業の雇用に影響が…。
宿泊業をしている身としては、コロナウィルスが早く終息して欲しい。
このまま続けば、宿泊や観光関係はじめ多くのビジネスで悪影響が出続けることはみえている。
他の収入源の構築は必須。 https://t.co/pYOR00hQLx
— 木内健介 民泊・ゲストハウス経営中 (@kensukekinouchi) February 17, 2020
そして、その影響で様々なイベントが中止となっています。
本日の発表であれば東京マラソン。
拡大すると、
新型コロナウイルス(COVID-19)については日本国内においても感染が確認されています。
東京マラソン2020の開催に向け、感染症対策等の準備を進めておりましたが、東京都内における複数の感染者が確認される中、多くの一般ランナーが参加する本大会を実施することは困難であるとの結論に達しました。
このため、東京マラソン2020については、マラソンのエリート及び車いすエリートの部のみを開催することといたします。
東京マラソン2020に参加を予定していたランナー(エリート除く)の皆様につきまして、以下のとおりの措置を実施いたしますので、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。引用元:東京マラソン公式ページより
約38000人が出場する予定でしたが、一般参加のランナーを中止しエリートランナーのみの200人へと変更になりました。
そして、ここからが今回のブログの本題です。
約38000人の人達は、
- 東京マラソンに参加料を支払い
- 飛行機やバスを予約し
- 宿泊施設を予約して
東京マラソンに参加する予定でした。
つまり、今頃東京周辺の宿泊施設では、予約のキャンセルの電話がなりっぱなしの状態のはずです。
さらに言うと、キャンセルポリシーを以下のように設定している宿泊施設は多いと思うので、キャンセル料ももらうことはできないでしょう。
- 宿泊日の5日前:無料
- 宿泊日の3日前:キャンセル料30%
- 宿泊日の前日:キャンセル料50%
- 宿泊日の当日;キャンセル料100%
もちろん、全員キャンセルするわけではありません。
『飛行機もとったしホテルも予約した。せっかくなのでこのまま東京観光しようと思う』という人もいるでしょう。
ですが、その絶対数は少ないと僕は考えています。
なぜなら、通常東京マラソンの時期のホテル等の宿泊料金は、普通の期間と比較して高くなっているからです。
それを『ただ観光するだけ』のために、その宿泊施設に高いお金を払って泊まるでしょうか。
多くの人が無料でキャンセルできる期間内であれば、キャンセルしようと考えると思います。
ですので、宿泊施設としては、キャンセルして宿泊料金も入ってこない、そのキャンセル料もいただけないという状態になっていると思います。
そして、これの怖いところが、負の連鎖により他のマラソン大会でも起こる可能性があるということです。
東京マラソンと言えば、日本最大のマラソン大会。
つまり、『日本最大のマラソン大会である東京マラソンが中止をしたんだから、私達のところも中止しよう』という動きも増えると予測されます。
そうなってくると、同じようにマラソン大会の収益をあてにしていた宿泊施設は大打撃を受けます。
このような負の連鎖がマラソン大会だけでなく、色んなイベントでも起こってくるでしょう。
例えば、先日ご宿泊いただいた東京などでイベントを企画運営している人。
やはり、食事関係のイベントは中止の電話が来るようになったと話をしてくれました。
すると、どうなっていくかというと、宿泊業や観光業に従事している人達のリストラが始まります。
実際、始めに紹介した僕のツイートはホテルにお勤めの方に対してリツイートした内容。
では、元のツイートはどんな内容かというと『突然上司に呼ばれて、コロナの影響で3月末までしか雇えないと言われた』という内容でした。
ですので、これからどんどんリストラが始まっていくでしょう。
リストラまでいかずとも、仕事が圧倒的に少なくなるので、まずは時給で働いている人達は仕事に入れなくなるでしょう。
さらに、その後は契約社員。
そして、正社員と続きます。
これが倒産していく宿泊施設の基本的な流れとなります。
ただ、ここで勘違いしてほしくないのは、お客さんが入っていない=倒産にはならないということですね。
宿泊施設を含む企業が倒産するのは、手元 のお金が無くなったとき。
つまり、どれだけ予約が入っていようが、どれだけ売上を上げていようが関係ないんですね。
大切なのは売上ではなく利益。
利益が出なくなりなおかつ手元のお金がなくなれば企業は簡単に倒産します。
逆に考えると倒産しない施設とは、
- 豊富な手持ち資金がある企業
です。
売上や利益の大小、予約の多さではなく、手持ちの資金が重要なんですね。
では、どういう宿泊施設が今後倒産していくかというと、
- 手持ちの資金が少ない
- 従業員をたくさ雇用している
- 設備にお金をかけている
- 予約が入っていない
- 借金がある
という特徴がある宿泊施設です。
従業員の多さは、人件費の高さに直結します。
もちろん、どれぐらいの支出があるかはその人の能力によって変わってきますが、人件費は最も高い固定費になります。
ですので、従業員が多い会社は倒産しやすいと言えます。
だから、倒産しないためにも、今必死でリストラの話がすすんでいるでしょう。
また、設備にお金をかけている企業も倒産しやすいと言えます。
ただ、この言葉だけでは誤解を生む可能性があるので付け足すと、手元のお金が少ないのに身の丈以上のお金を初期投資として使った宿泊施設です。
見栄えをよくしたいという気持ちはわかりますが、手元のお金がなくなれば倒産になるので必要以上にお金をかけすぎないことが重要です。
予約が入っていないということは、売上も上がらないですし当然その結果利益も生まれません。
いくら手持ちのお金に余裕があったとしても、毎月赤字であれば確実に手持ちの資金はなくなっていきます。
ですので、どんなことをしてでも予約を入れ実際に宿泊していただくことが重要になります。
最後の借金は徐々に資金を確実に奪っていきます。
これは固定費と一緒でなかなか下げることはできません。
だから、まずは借りない経営またはお金をかけない経営をすることが重要だと僕は考えています。
そのお金をかけない経営方法をまとめたブログはこちらになります。
ぜひ、経営に行き詰まっている人は、参考にしてみてくださいね。
⇒戦略と行動力で経営危機を脱出!実践済みの具体的な8ステップを紹介します
※ここぞという時は借りて勝負をすることも必要。
以上のことを簡潔にまとめると、
- 固定費を減らす
- 見栄を捨てる
- 売上を上げる
という当たり前のことをしている企業が生き残ることができます。
さらにいうと、普段からこの3つを意識した経営をすれば大きく失敗はすることがないでしょう。
今回のコロナウイルスは日本経済に大きな打撃を与えていますし、今後さらに深刻になっていくことが予測されます。
多くの宿泊施設や観光業に従事する企業は倒産していくでしょう。
もちろん、僕が経営する宿泊施設もそういう危険性は0ではありません。
ただ、僕は上記に記載したことを意識して経営しているので、経営が悪化したとしても、すぐに倒産することはないと考えています。
ですが、最悪の自体を想定し現在は他の収入源を増やす努力をしています。
収入の分散化は生き残るためには必須です。
このことも覚えておいて欲しいと思います。
あなたの企業は倒産する企業でしょうか。
それとも、倒産しない企業でしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
※2020年2月20日追記※
この記事を書いた3日後である2月20日、ついにゲストハウスも倒産し始めました。
こちらの記事です。
信用調査会社2社がこのほど発表した京都府内の1月の企業倒産状況(負債額1千万円以上)は、件数と負債総額ともに連続で前年同月を上回っている。小口倒産が多いが、宿泊施設の競争激化の影響もあり、ゲストハウス運営会社の倒産も出てきた。
東京商工リサーチ京都支店によると、倒産件数は前月比7件増の27件。負債総額は同4・6%減の12億6500万円で、6カ月連続で10億円を超えた。
消費税増税もあってか、倒産原因は販売不振が24件と大半を占め、業種別では、小売業が6件、サービス業で9件だった。また、上京区のゲストハウス運営会社が1億円台の負債を抱えて倒産している。同支店は今後について「新型コロナウイルスによる観光客の急減で飲食店や宿泊施設、土産物店などでの影響は避けがたい」とみている。
帝国データバンク京都支店の集計(法的整理のみ)によると、倒産件数は前月比2件増の25件、負債総額は、同10・5%減の14億3900万円だった。
業種別では小売業が9件、建設業が6件だった。同支店は「負債総額10億円超えが続き、明らかに潮目が変わってきている。観光客の減少も懸念され、引き続き注視が必要だ」としている。引用元:https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/155392
コロナウイルスが世に知られ始めたのが12月末〜1月の頭にかけて。
そして、この倒産は1月の数字。
つまり、来月2月の数字はこれよりもかなり悪くなることが予測できます。
経営している身としては、今は踏ん張りどころ。
なんとしても、倒産は避けたいです。
※2020年2月23日追記※
蒲郡の中国人団体客に特化した宿泊施設が廃業したと発表になりました。
簡単にまとめると、中国人に特化したビジネスモデルの宿泊施設だったようなのですが、残念ながらコロナウイルスの影響でキャンセルが相次ぎ、資金が回らなくなったとのからとのこと。
そして、このことから何か1つに依存している企業は倒産または廃業するということがわかりました。
逆に言えば、
- 宿泊業以外の複数からの収入源を持つ
- 1つの国や地域からのお客さんに固執していない
宿泊施設はこのコロナウイルスの影響があったとしても、生き残ると企業と言えます。
事実、僕自身は民泊やゲストハウス以外からの収入もあるため、たしかに収入は減っていますが、すぐに倒産とかするわけではありません。
ますますこれから経済が悪化していくため、他の収入源をあわせて持つことをおすすめします。
ブログでの収入を増やす方法はこちらの記事に書いています。
⇒ブログで起業することがかなりローリスク・ハイリターンの理由とは?
※2020年2月26日追記※
事業者の方専用ですが、厚生労働省が今回のコロナウイルスの影響でビジネスに支障が出ている事業者の方に向けて雇用調整助成金の対応をしてくれるようになりました。
少しでも多くの事業者の方に届いて欲しいと考えシェアしたいと思います。
こちらはその助成金のPDFです。
⇒https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000595853.pdf
ですので、これを読んだあなたもぜひシェアして、宿泊業・観光業に従事する企業の倒産を阻止して欲しいと思います。
※2020年3月10日追記※
コロナウィルスの影響で経営難のゲストハウスを助けるためクラウドファンディングを行います。
もちろん、僕の宿泊施設もその中に入っています。
現在、実際に申請中(2日経過)で、承認を得ることができたらすぐに公開して始めます。
ぜひSNS等でこのブログを拡散ください。
そして、プロジェクト内容を読んでいただき(公開前のページのURLを記載しています)賛同いただけましたら、ぜひご購入ください。
よろしくお願い致します。
⇒クラウドファンディングで全国のゲストハウスをつなぎコロナ対策の資金を集めます
2020年5月18日追記。
クラウドファンディングは最終的に180万円弱の資金調達に成功致しました。
ご協力いただきた皆さん本当にありがとうございました。