僕は徳島県の鳴門市にある『うずしおゲストハウス』を経営しています。
お遍路さんの時期になると、多くの外国人お遍路さんが多く泊まってくれます。
例えば、このブログを書いている本日も
- フランス人男性
- イタリア人女性
の2名のゲストさんがお遍路さんに挑戦されるために宿泊されています。
また、出発だけでなく最後に立ち寄ってくれる外国人ゲストさんも多いですね。
そして、お遍路さんに挑戦する/した外国人の彼らや彼女らゲストさんと話をして
- どういうことが不安なのか
- 実際すべて歩き終わってどういう感想を持ったのか
という点について、僕が実際に聞いた話を書いてみました。
お遍路さんに挑戦する/した外国人が不安や不満に思っていること
宿泊場所の値段が高い
やはり1番始めに多くのお遍路さんに挑戦した、またはこれからする外国人の方がおっしゃるのがこの言葉です。
『宿泊値段が高い!』と。
なぜなら、お遍路さんは6週間〜8週間ぐらいかけてすべてのお寺を歩いて回るため、できるだけ1日に使うお金を節約したいと考えているからですね。
でも、1泊素泊まりで5000円とかのホテルが多いとのこと。
仮に最短で6週間=42日と仮定して計算すると、21万円もの宿泊代だけでがかかってきます。
さらに、そこから食費や雑費等が必要になります。
ですので、できるだけお金を減らしたいと考えているんですね。
もちろん、寝袋やテントを持参で臨むゲストさんもいます。
ですが、テントに関しては男性ゲストさんは問題ありませんが、女性ゲストさんにはどうしても重くのしかかるため、体力的にきついとのこと。
その他にもお遍路ハウスもありますが、まだまだ彼らの要望に応えているわけではありません。
しかも、日本語のみのWebサイトだったりします。
また、無料の宿泊場所もあるお寺もありますが、コンクリートの上で『見知らぬ男性の横で寝るのは不安』という女性の方もいます。
さらに、トイレが汚い、シャワーがないなども。
でも、これらは無料なので仕方ないですけどね。
では、なぜ彼らが高く感じているかというと、サンティアゴ・デ・コンポステーラの影響だと思います。
サンティアゴ・デ・コンポステーラとお遍路さん
僕自身も彼らから聞いた話なので、ここから書く内容は事実と違っていたりするかもしれません。
サンティアゴ・デ・コンポステーラというのはフランスから始まりスペインまでいくお遍路さんのようなものなんですね。
そして、多くのお遍路さんに挑戦する外国人はこのサンティアゴ・デ・コンポステーラを経験されています。
そこの宿泊は本当に安いみたいなんですね。
1000円台とか500円とかもあるみたいです。
そこと比較すると、やはりお値段は宿泊代は高いですよね。
もちろん、普通のホテルは日本並みのお値段がします。
少なくとも、僕は会う外国人お遍路さんは宿泊料金で悩んでいます。
ちなみに、いい物件があれば、僕が安く運営してもいいですけどね。
少しの利益でお遍路さんへ提供する。
手間がかかるだけかもしれませんが、上手く仕組み化すれば僕も外国人お遍路さんにとってもWin-Winの関係になると思いますけどね。
もちろん、その地域の売上にも貢献できるので三方良しになりますね。
無料Wi-Fiの場所がない、またはWi-Fiが繋がらない
宿泊施設を運営している人が高齢なのかわかりませんが、まず高い値段を払って旅館に泊まってもWi-Fiがないかもしれないので不安という声も多く聞こえます。
これは、その旅館等を経営者が年配の人だったらWi-Fiがないということもあるでしょう。
なぜなら、どれだけWi-Fiが重要なのか彼らはわかっていないからですね。
また、宿泊場所以外でも無料でWi-Fiを使える場所がなくて困っています。
『なぜさっさと整備しないのだろう』と思ったりもしますが、その重要性に気づいていないんでしょうね。
僕は、外国人お遍路さんのFacebookページに僕は参加していますが、彼らのネットワークは本当にすごいですね。
なぜなら、世界中から人が集まって情報交換しているからです。
だから、Wi-Fiを導入するだけで、そのFacebookグループで拡散されるでしょう。
それぐらい、Wi-Fiがないからですね。
すると、それだけで『ここはWi-Fiが使える』というようになので人が集まり、どんなお店でも売上になると考えています。
案内標識が日本語のみでわからない
この案内標識が日本語で書かれており意味がわからないという言葉も外国人お遍路さんからよく聞きます。
かざすだけで翻訳できるGoogleの翻訳アプリを使っても上手くいかないことも。
これなんて、『すぐに対応すればいいのでは?』と考えてしまいますが、何でしないのかなと。
僕の経験上、歩いてお遍路さんをしている人は欧米人のみです。
アジア人では会ったことがありません。
1人ヨーロッパ?に住んでいる日本人がお遍路さんに挑戦していたかも。
でも、基本的に日本人の皆さんバスで移動です。
だから、欧米人が読める英語表記だけでもすればよりわかりやすくなり、それが口コミで広がりお遍路さんに海外から来てくれるようになるんじゃないかなと。
こういう小さいことの積み重ねが必要だと思うんですけどね。
でも、これを市町村でやろうとすると、立派な標識を立てたりしようとするでしょう。
僕は反対ですね。
手書きでも何でもいいので、英語表記だけ記入して分かれ道とかに立てたらわかりやすいと思うんですけどね。
できるだけお金を使わずに手軽にする。
今回の標識の件に関しては、そっちの方が費用対効果が高く生産性が上がると僕は考えています。
お遍路さんの本に掲載されているお店がない
- 『ガイドブックを見てお店に行ったけどなかった』
- 『旅館に行ったけどもうやっていなかった』
という声も外国人お遍路さんから聞こえてきました。
そのガイドブックが古いのか。
でも、最近買った本とのこと。
僕も経営者なので、お店を閉める理由はよくわかります。
ずっと続けていくことがどれだけ大変なことかも十分わかります。
だから、閉めてしまったお店が悪いのではなく、Wi-Fiが使えない環境というのが悪いのかなと考えています。
理由は、ネットにアクセスさえできれば、当然本よりも新しい最新の情報を得ることができるからですね。
でも、現実はWi-Fiがないため、本に頼ってお店や宿泊施設に行く。
そして、同じ道を引き返し、体力的にも精神的にも疲れてしまう。
特に、欧米人は日本人と比較して基本的にITリテラシーが高い人が多い。
詳しくはこの記事に書いています。
⇒日本の大不況はご年配の人のITリテラシーの低さが原因の1つでは?
だから、お店単位でいいのでWi-Fiを整備していくことをおすすめします。
そして、市町村はそういう人達に補助金を出してもいいのかなって考えています。
英語ができる人が少ない
『英語が通じる人がいなくて困った』。
これもよく外国人お遍路さんから聞く言葉です。
確かに、これは困りますよね。
僕も3日間ほぼフランス語しか話せないフランス人とずっと一緒にいたので、言葉が通じないもどかしい気持ちはよくわかります。
ですが、これは悪いことを意味していますが、いいことも意味していたりします。
さっきの言葉にこういう言葉が続くんですね。
それは、『だけど、身振り手振りで教えてくれて本当に四国の人は温かいと思ったよ』とか『何を行っているかわからなかったけど、車で目的地まで運んでくれた』とか。
実際、僕も今回のフランス人達は言葉通じないなかで、一生懸命ご案内したので今後印象に残る外国人ゲストさんの1人になると思います。
そして、こういう困ったときにこそ、人の行動によって言葉以上に人の優しさを感じたりします。
それが旅の思い出になったりするんですね。
僕もフランスのカレーで寒くて死にそうと思ったときに、無料でコーヒーをくれたあのおっちゃんは今でも覚えています。
つまり、困難を乗り越える体験もまた旅の良さだったりするんですけどね。
最後に
何でも手助けすればいいというわけではありませんが、外国人お遍路さんの不安や不満なことを書いてみました。
時間の関係で途中までになりましたが、聞いていることはまだまだあります。
そして、これからも多くのお遍路さん目的の外国人の方が『うずしおゲストハウス』に来るので、どんどん追記していきたいと思います。
これからも外国人お遍路さんを通して四国の良さを世界中に伝えていきたいですね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。