あなたは台風15号で甚大な被害があった鋸南町(きょなんまち)を知っていますか。
『鋸南町って??』と思う人もいるかもしれませんが、台風で瓦が飛んでしまってブルーシートで雨を塞いでいる家がある町と言えば『わかる!』という人も多いのではないでしょうか。
YouTubeにそのニュースがあるので、まずはこちらの動画を見てください。
では、なぜこんなことを書いているかというと、僕が経営している『うずしおゲストハウス』の本日のゲストさんの中に、その鋸南町で実際に台風被害にあった人がいるからなんですね。
実際の生の声をお届けしたいと思い、今回はその人にインタビューをさせていただきました。
では、早速。
鋸南町は水仙の花で有名な地域
鋸(のこぎり)の南の町と書いて鋸南町(きょなんまち)と読むと今回お話を聞かせていただいたのは、78歳の男性ゲストさんです。
鋸南町は水仙で有名な街みたいなんですね。
そして、その水仙の花を見に12月から3月までは多くの観光客がお越しになるとのこと。
そういう場所が鋸南町だそうです。
そして、9月9日に台風がその鋸南町を直撃しました。
台風の被害が甚大だと鋸南町が報道されだしたのは12日から
台風15号は今年(2019年)の9月9日に千葉県を直撃しました。
その男性ゲストさんいわく、深夜3時ごろ直撃を受けたようでした。
でも、9日、10日、11日の時点ではそこまで鋸南町がクローズアップされて報道されることはなかったみたいです。
鋸南町よりも、千葉市や君津市、市原市(ゴルフ場の鉄塔が倒れた場所)が大きく報道されていました。
事実、その人がお仕事のレセプションに参加された11日の時点でも、『台風は大丈夫でしたか』と多く質問を受けましたが、その質問自体は千葉県全体を指した質問の仕方だったそうです。
ですが、12日からTVで鋸南町の報道がされると状況は一変したそうです。
その男性ゲストさんは、11日のレセプションが終わり12日に鋸南町に戻ると、多くのマスコミの人が来ていたそうです。
台風の上陸に備えて車から携帯を充電できるようにするべき!
9月9日の午前3時ごろに千葉市を中心に上陸した台風の影響で、男性ゲストさんの家は9日から18日まで停電したそうです。
ですが、人によっては7日間の停電とか20日間の停電とかの人もいたそうです。
そして、その後多くの市民の人は町役場に携帯の充電を求めて長蛇の列を作っていたそうです。
なぜなら、現代の人は携帯がなければパニックにおちいる可能性があるからみたいです。
だから、大勢の人が携帯の充電を求めて並ぶ。
でも、その男性ゲストさんは自分の車のシガーライターソケットから電気を取り携帯を充電されていたとのこと。
つまり、災害時に必要なのは『車から携帯を充電できるようにする機械』と力強くおっしゃってました。
僕はてっきり水や食料が必要と考えていましたが、台風の場合は地下の水道管は問題ないから飲料水は大丈夫だったみたいなんですね。
もちろん、これが地震であれば話が別だと思います。
また、食料もボランティアの人達がたくさん用意してくれるので、それも必要ないとのこと。
必要なのは携帯の充電器。
でも、普通の充電器であれば、少しの間は充電器が使えるので大丈夫なのですが、今度はその充電器を充電する必要があるんですね。
だから、車の充電が1番簡単で手っ取り早いと教えてくれました。
実際、その車のシガーライターソケットを使って、ご近所さんの充電もしてあげたようです。
また、その方も正確には覚えていないようですが、町役場の駐車場にau、ソフトバンク、ドコモの基地局が来て電波は携帯の電波は9日以降でも通じていたようです。
ですが、そもそもの携帯に充電がないという状態に。
携帯の充電が切れるのは親戚からの安否確認の電話が原因の1つ
では、どうしてそんなに充電が切れるかというと、親戚から電話がかかってくるとのこと。
つまり、親戚の人は『安否を確認』したいですよね。
でも、それは現地の人の携帯の充電を減らしている行為とのこと。
この発想は僕にはありませんでした。
もし、あなたも電話で安否確認をしようと考えているなら、別の方法を何か考えてもいいのではないでしょうか。
ボランティアの力はすごい!
台風の被害があってから何がすごいと感じたかというと、ボランティアの力とのこと。
全国から多くのボランティアの人が駆けつけてくれたようです。
そして、彼ら・彼女らは前の家の瓦礫の片付けをしてくれたそうです。
では、どうしてボランティアの人が優先的に手助けをしてくれたのか。
それは、町役場に誰が頼むかによるとのこと。
1人ぐらしのおばあさんが頼むと『優先的に』ボランティアを派遣してくれるそうです。
実際、その男性ゲストさんの家の前のおばあさんが申請すると、すぐに手配してくれたようです。
これが、若い男手がある場合は、どうしても優先順位が下ってしまうとのことでした。
ただし、ボランティアの人達が屋根に登ってブルーシートの施工をするのは全面禁止と町の放送があったとのこと。
なぜなら、住人がブルーシートで屋根の補修をしようとして落ちて死んでしまったということがあったからみたいです。
ですので、屋根の上は専門家の人に任せるという話になっていたようです。
ボランティアの配置の訓練を役場はしておいた方がよい!
この『ボランティアの配置の訓練』に関しては、僕はまったく気にしていなかったことでした。
ですが、その男性ゲストさんから説明を受けると『納得!』。
どういうことかというと、災害が起こると、全国からボランティアの人達が集まってくるみたいなんですね。
でも、どこに何人のボランティアを配置するという訓練をしていなかったら、配置ができなかったり、人材を有効に使うことができなかったりするとのこと。
この視点は僕にはありませんでした。
つまり、災害時のボランティアの受付の訓練は、避難訓練と同等の意味があるということですね。
実際、ボランティアの人達の立場で考えても、『ボランティアをしに来たけどどこにも配置してくれない』というのは、もどかしい気持ちになりますね。
だから、このような訓練もあわせてしておいた方がいいとアドバイスをいただきました。
ボランティアの寝泊まりは基本的に車の中
ボランティアの人達の寝泊まりは基本的に車の中みたいです。
自分達のことは自分達で完結するとのこと。
その地域の人達に迷惑をかけないようにする必要があるみたいなんですね。
こういうことも僕は知りませんでした。
もちろん、ボランティアにも色んな人がいますので、この考え方だけではないと思いますが、それでも車の中で寝泊まりとはすごいですね。
疲れとかなかなか取れないだろうにと思ってしまいます。
ですが、それでも人ために動けるボランティアの人はすごいですね。
僕も小さいボランティアから何かしてみようかなって思いますね。
避難所には公平・不公平感が確実に存在している
避難所には、良い場所と悪い場所があるとのこと。
多くの人は(僕も含めて)避難所=体育館と想像しますよね。
でも、保養所とかも避難所になるようなんですね。
つまり、個室で宿泊できたりするようです。
そして、そこに避難できるかどうかは受付順とのこと。
で、その保養所の食事は炊き出しの食事を提供してくれるみたいなんですね。
でも、体育館での避難所は、ダンボールで間仕切りを作る。
そして、食事はボランティアの人が持ってきてくれた食事しか基本的にないようです。
これが報道でよく僕たちが目にする光景ですよね。
だから、避難所=体育館というイメージが刷り込まれているみたいですが、そういう人以外の人達もいるみたいです。
また、体育館はお湯を始めは使えなかったみたいです。
理由は、危ないからとのこと。
でも、その後お湯は使えるようになったみたいですけどね。
最後に
僕がテレビやネットの情報を集めていましたが、知っているつもりになっていたとその男性ゲストさんのお話を聞いて思いました。
やはり、実際の人の体験談を聞くのはすごく参考になりますね。
最後に心がホッとするお話を。
避難所生活で困るのはお風呂。
では、その男性ゲストさんやそのご近所さん達はどうしたかというと、近所の銭湯が無料で1ヶ月ほど使わせてくれたそうなんですね。
本来は300円必要みたいなんですが、全員無料だったそうです。
また、バスに関しても約1ヶ月ほぼ無料で運行してくれたみたいです。
こういう助け合いの精神てすごくいいですね。
僕も以前『困った時はお互い様』という言葉にアメリカ留学時代に救われた話しといタイトルで助けてもらったときの話を書きました。
ぜひ読んでみてくださいね。
やはりゲストハウスには様々な出会いがありますね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
鋸南町は報道によって作られた災害?
実は、このブログを書き終えようとしたときに、男性ゲストさんこういうことをおっしゃってました。
『ただ、こうは言ったけど鋸南町はそこまでの被害はない。ある意味報道で作られて災害と感じる部分もある』と。
どういうことかというと、東日本大震災や台風19号の水害と比較しても、水もあるしそこまで大きな被害はない。
もちろん、一部の人は甚大な被害を受けている人はいるのは事実であるが。
だけれど、報道によって無理やり『ここは被災地ですよ』と扱われたような気がするとのこと。
これも興味深い表現だなと感じました。
報道のあり方によって世論は操作されるかもしれない。
このことを強く感じた発言でした。